ライソゾーム病は、細胞内小器官であるライソゾームに含まれる酵素自体または活性因子などの遺伝的欠損により、分解されるべき様々な物質が細胞内に蓄積し、細胞障害を引き起こす疾患群です。
現在、約40種類の疾患が知られており、その多くが中枢神経障害を引き起こします。
以前は治療法が存在しない疾患でしたが、1980年代に骨髄移植が、1990年代に酵素補充療法が開始され、多くの臨床的効果を上げています。
しかしながら、両療法とも満足がゆくものではありません。
私共は平成13年度からの厚生労働省難治性疾患克服事業の一環として「ライソゾーム病態の解明及び治療法に関する研究」、平成16年から「ライソゾーム病(ファブリー病を含む」に関する調査研究」により、ライソゾーム病の現時点でのADL、OQLに関する調査研究、早期診断のための新規診断法、新規スクリーニング法の開発、遺伝子治療、ケミカルシャペロン法などの新規治療法の開発、病態解明のための様々な研究を行って参りました。
その研究を通して希少疾患である本症について、臨床医の先生方への啓発と患者さんへの情報源としてこのホームページがお役にたてれば幸いです。
衞藤義勝